親和中学校・親和女子高等学校

親和女子高等学校 卒業式が行われました

2024.03.25

2月29日(木)に「親和女子高等学校 第76回 卒業証書授与式」がおこなわれ、176名の生徒が本校を巣立ちました。


             

                      第76回 卒業証書授与式 式辞

 六甲山系から吹き降りてくる風にも早春の息吹が感じられる今日の佳き日、76回生の皆さんとの、寂しくも喜ぶべき別れの時がまいりました。

 本日は、公私ともご多用の中、ここまで支えてくださいました保護者、ご家族の方々、法人役員、汲温会員、各位多数のご臨席を賜り、親和女子高等学校第76回卒業証書授与式を厳粛かつ盛大に挙行できますことを心から嬉しく思い、厚く御礼申し上げます。

ただいま卒業証書を授与しました176名の卒業生の皆さん、卒業おめでとうございます。この親和中学校・親和女子高等学校で過ごした年月は、皆さんにとってかけがえのない、思い出深いものであったと思います。親和学園に入学以来、胸のバッチに象徴される3つの精神つまり、「誠実」「堅忍不抜」「忠恕温和」の3つを自らの生活の軸にして自己形成に努めてきました。授業はもとより文化祭、体育祭などの学校行事や運動部、文化部各部の活動をとおして、この精神の高揚を図り、大きな成果を上げました。卒業式に臨み、皆さんの胸の中には、それら様々な思い出が、走馬灯のようによみがえっているのではないでしょうか。  ただ、中学3年生からの約3年間は、コロナウイルス感染症拡散により耐え忍ぶ3年間となりました。当たり前が当たり前でない日常生活の日々となり、学校行事や部活動等のあらゆる大会や活動が中止・変更となりました。不満や不安とやるせなさが募る月日だったと思います。でも、よく耐えましたね。

 このコロナ禍の3年間も含めて、皆さんが親和学園での生活をとおして培った、苦しみや厳しさに耐える力や周りの人への優しさや思いやり、そして誠実を旨とする態度や精神は、これからの大学生活や新しい生活の中でも、きっと自らの存在を輝かしいものにし、多くの人から信頼と期待の念を寄せられることになるに違いありません。とりわけ積極的な態度や行動力は、これからの学生生活を充実させることになるでしょうし、新しい時代を拓く力ともなります。

 ここで、新しい時代を活躍の舞台とする皆さんへの餞(はなむけ)に、言葉を2つ贈ります。

 1つめは「人との繋がりと感謝の心」です。

 一口に卒業と言っても、皆さんが今日のこの日を迎えるまでの道のりを考えるとき、それは決して一様ではなく、それぞれに様々な苦労があったことと思います。しかし、皆さんは今日、保護者、ご家族、教職員の大きな祝福の中で、この日を迎えることができました。また、本校での学びは、お互いに切磋琢磨してきた友があってこそ、皆さんは成長できたのではないでしょうか。この喜びを決して忘れることなく、これまで育んでいただいた方々に感謝して、明日からまたそれぞれの良き人生の日々を重ねて欲しいのです。 『星の王子様』の著者サン・テグジュペリの『人間の土地』に次のような一節があります。 「真の贅沢というものは、ただ一つしかない。それは人間関係の贅沢である。」 今後も、自分の周りのあらゆる人への感謝を忘れないでほしいと願っています。

 2つめは「これからの人生、夢と目標とともに希望を持って歩み続けてほしい」。

 夢や目標がないところには、ビジョンや計画もなく、ビジョンや計画のないところには行動もなく、行動がなければ、成果も成功もありません。行動の原点ともなる夢や目標、「志」をしっかりと持って、女性が活躍するこれからの時代や皆さんの人生を、逞しく歩 んでもらいたいと思います。

 そこで、これからの皆さんの人生へ、実業家・発明家である松下幸之助の「道」という詩を贈ります。

 自分には 自分に与えられた道がある

 広い時もあるせまい時もある

 のぼりもあれば くだりもある

 思案にあまる時もあろう

 しかし 心を定め 希望をもって歩むならば

 必ず道はひらけてくる

 深い喜びも そこから生まれてくる

 最後になりましたが、保護者の皆様に一言申し上げます。お嬢様には親和学園でのこの期間のご努力が実って本日のご卒業を迎えられたこと、誠におめでとうございます。私どもは、お嬢様をお預かりして不十分な点もあったかとは思いますが、全力で教育にあたってまいりました。ここにいたるまでに賜りましたご理解、ご支援に対し、この場を借りて深く感謝申し上げます。何よりも、私どもは、素直で素晴しい生徒と、この親和中学校・親和女子高等学校で一緒に生活できたことを誇りとし、嬉しく思っています。

 卒業生の皆さん、いよいよ巣立ちの時がきました。皆さんの人生は素晴らしいものであるとともに、いつも素晴らしい時ばかりではなく、厳しい時がある可能性も秘めています。皆さんには嬉しいときもあれば、悲しいときもあるでしょう。疲れることもあれば、じっくり考えたいときもあるはずです。そのような時、いつでも親和中学校・親和女子高等学校を思い出し、訪れてください。皆さんが過ごしたこの学舎(まなびや)は、静かに、そして温かく皆さんを迎えてくれるはずです。母校としての誇りを持ち、懐かしんでほしいと願っています。また、親和中学校・親和女子高等学校は、何よりもそのような学校でありたいと強く念じています。

 本日、親和女子高等学校の校門を出て、素晴らしい人生に繋がる道を、胸を張って進んでください。皆さんの新たな一歩と、それに続く未来が光輝くものとなることを心から念願し、式辞といたします。    


令和6年2月29日   親和女子高等学校長 中村 晶平